恵比寿日和
2024年
デザイナーのセキユリヲさんがはじめたサルビアの小物たちは、女子なら誰でも好きである。なかでも靴下は、私の周りの女子たちは、みんな持っていると言っていい。
そんなサルビアさんの蔵前のお店がリニューアルオープンした。
お客様をお迎えする入り口に5×緑の里山ユニットを置かせていただいた。
「古きよきをあたらしく」というサルビアさんのテーマは、私たち5×緑の植物への目線にもつながるものだ。
思えば、5×緑のパンフレットも名刺もセキさんのデザインで、里山ユニットの商品写真はサルビアさんの上の階にあるスタジオcobacoで撮影させていただいた。
レセプションでは、セキさんが今住む、北海道東川町での暮らしと仕事が紹介された。
息を飲むほど美しい自然とともにのびやかに暮らし、マルシェを開いたり、手仕事の教室をはじめたり。
森や花や野菜や空や山や川と人がつながって織りなす暮らしの風景は、さながらセキさんたちが編むカード織のようだなと思う。
里山ユニットを引き取りに来てくださった時に、圃場のメンバーがお渡ししたらしいテイカカズラやナデシコの苗が、可愛い植木鉢に植えられて、可愛いお店に可愛く飾られていた。
まるでオープンを祝うようにナデシコが花を咲かせたそう。
やるなぁ、ナデシコ。
スターライト工業さんから、今年もたくさん筍が届きました。
工場が滋賀の栗東にあって、毎年たくさん筍が出る由。
本社の植栽をお手伝いさせていただいたご縁で、毎年送っていただくようになりました。
今年も、はや筍時がやってきたか!と思います。
毎年、毎年、同じように驚いて、同じように喜んで、皆で分けます。
恒例ですが、歳を重ねるごとに、恙無いことの有り難さが増しています。
季節の便りは嬉しいもの。
勢いよく伸びる筍にあやかって、伸びやかに初夏を迎えたいと思います。
桜舞い散る池のほとりで、懸命に池に向かう小さな亀を見つけました。
木の葉一枚ほどの赤ちゃん亀です。
この小亀がどうしてこんな大冒険をすることになったのかわかりません。
結構長い土の上の距離を、小さな足で一心に池へ向かっていきます。
それは、「懸命」をそのまま形にしたような姿でした。
いつの間にか、3つくらいの男の子が隣に来て、一緒に亀の応援をしてくれました。
「助けてあげたい」と思うのでしょう、思わず伸びそうになる手を、「触っちゃだめよ」とお母さんに止められながら。
花びらが舞うなか、落花2枚を甲羅にのせて、小亀は進みます。
池まであと一息というところで土留め石の窪みに落ちてしまいました。
小亀にとって周りはそそり立つ絶壁に等しく、這い上がるのはとても無理そうです。
「どうしたものか、枝で上に上がる梯子を渡してやるべきか」などと思い悩んでいると、どこぞに裂け目があったのか、池に無事出られたようです。これまた懸命に水の中を泳ぐ姿を見つけました。
思わず隣の男の子と「やったね!」。
小亀の冒険は、男の子にとっても、その日のトピックスだったに違いありません。
そろそろ鯉のぼりも立つ季節。
小さないのちたちが、健やかに育ちますよう。
我が家の里山ユニットのコナラも新芽が膨らんできました。
硬かった冬芽が膨らんでくるこの時期、日々の変化を観察するのが楽しみです。
特にコナラは銀色の産毛を纏っていて、粒だつように踊る春の光に輝く姿は、称嘆せずにはいられません。
毎年見ていても、見惚れてしまいます。
数年前、内山緑地さんで新緑のコナラの大木を見る幸運がありました。
樹冠全体が陽光を受けて銀色に輝く姿は神々しいほどで、忘れ難い風景の一つです。
撮影 4月2日
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