恵比寿日和

合羽坂テラスの二十四節気 霜降

朝夕冷え込む季節。
テラスのイロハモミジも少しずつ色づいてきました。

今日は植物の紅葉の秘密について。

葉には様々な光合成色素が含まれていて、主なものは緑色をしたクロロフィルと黄味がかったカロテノイド。葉の老化が進むとクロロフィルが優先的に分解されるので、カロテノイドの黄色が目立ってくるそうです。

そして黄色から赤へと色を変えるのは、紅い色素であるアントシアニンが新たに生合成されるため。なぜ落葉の時期にわざわざエネルギーを使って新しい色素をつくりだすのか、長く定説が無かったようです。

ただ、有力な説となっているのが、アントシアニン日除け説。
タンパク質と結合せずに存在するアントシアニンは、分解する必要が無く、抗酸化作用という、いわば葉にとっての日除けの性質を効率的に果たせるため、と考えられています。
光合成色素は、光のエネルギーを吸収し、活性酸素の発生を抑える役割を果たしています。
落葉プロセスの中で色素は次々と分解・回収されますが、葉になんらかの色素を残しておかねばならず、アントシアニンはその役目を負っていると言われているのだそうです。

晴天が続くと、紅葉が一層鮮やかであるのは、太陽光線から葉を保護するためにアントシアニンが盛んにつくられるから。

色づくモミジの葉の中で、こんな精妙な化学変化が起きているのですね。

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写真:新宿 合羽坂テラスから 撮影 masacoさん

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