恵比寿日和

二十四節季便り『大寒』

初候

  第七十侯「ふきのとう、咲く」

  今日は大寒らしい厳しい寒さですね。
  「ふきのとう」はまだ先のようですが、
  コブシの蕾は先月よりも少し大きくなったように思います。
  春が待ち遠しい。

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次候

  第七十一侯「水沢、氷を張る」

  ナンテンの実生(みしょう)を見つけました。
  枯葉の中に紅一点、愛らしく主張していました。

  合羽坂テラスより

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末候

  第七十二侯「鶏、はじめて卵を抱き始める」

  七十二候も一巡りして、最後の候となりました。
  七十二候は、二十四節気を更に「初候」「次候」「末候」の
  三つに分けてつくられています。
  第七十二候は、「大寒」の「末候」。冬の終わりとも言えます。

  毎年手にさせていただく「和暦日々是好日」の中で、
  制作者の高月美樹さんは、こんな風に記しています。 
  ***
  自然と一体になって暮らしていた昔の人々は「気配」や「兆し」に敏感でした。
  それぞれの季節には「生、旺、墓」があり、ひとつの季節が頂点を迎えた瞬間に、
  次の季節の生まれたことを感じていたのです。
  ***

  そんな四季の変化を感じにくくなった都会暮らしの中でも、
  目を凝らせば季節は着実に巡っているーー
  そんなことを植物たちを通してお伝えしたくて、
  SNSで「ベランダ森化」を始めました。

  私たちのオフィスがある新宿の合羽坂テラスには、
  5×緑の里山ユニットが並んでいます。
  私たちは、そこで、都心の限られたスペースであっても、
  営まれるいのちの巡りのあることを知りました。

  花が咲き、実を結び、葉を落とし、また若葉が萌える、
  そんな変化を身近に見てきました。
  打ち合わせのガラス越しに、鳥が水浴びをしている様子を見たことも、
  アオスジアゲハの幼虫の育ちを見届けたことも、
  カマキリの赤ちゃんを見つけたこともありました。 

  並んでいる里山ユニットの枯葉を掻き分けると、
  そこに芽生えたばかりの小さなユキノシタをみつけることができました。
  冬の終わりに春の兆しをみつける、そんな喜びを大切にしたいと思います。

  もうすぐ立春。
  春からは、二十四節気ごとに、この合羽坂テラスから季節の便りをお届けします。
  写真は、写真家のmasacoさんにお願いすることになりました。
  どうぞお楽しみに。

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