恵比寿日和

二十四節季便り『冬至』

初候

第六十四侯「夏枯草、芽を出す」

寒い一日になりました。
庭の様子も寒々しいので、
いわさきちひろの「冬の画集」から。

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次候

第六十五侯 大鹿、角を落とす

年の瀬。
廻り年の干支飾りを仕舞う。

毎年、正月に家に帰ると、小さな庭には水仙が咲いていて、干支の置物のそばにはいつもこの花が飾られていた。

あれは干支が羊の年だった。
母が干支飾りを仕舞いながら、何気なく「これを飾ることはもうないやろう」と呟いた。
それから十年母は元気でいたが、羊年を再び迎えることはなかった。 

母の言葉は穏やかで、ふと思いついたことを口にしただけのようだった。
障子越しの冬の日差しが老いた背中を温めていた。
部屋にはほのかに水仙の香りが漂っていた。

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末候

第六十六侯 雪の下で麦の芽のびる

明けましておめでとうございます。

赤い実のものは縁起が良いとされて、お正月によく飾られます。

藪柑子の内に水を含んだような艶やかな赤も美しいですし、南天の漆のような赤も好きです。
そして、千両は神社の社殿や鳥居の朱色。
誠に晴れやかなおめでたい赤だと思います。

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