恵比寿日和

二十四節季便り『白露』

初候

第四十三候「草に宿った露が白くなる」
朝晩は秋らしくなってきました。

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次候

第四十四候 「鶺鴒(セキレイ)、鳴く」

少し前から咲いていたヒヨドリジョウゴ。
台風に煽られながらも、頑張って持ちこたえてくれました。

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末候

第四十五候 玄鳥去(つばめさる)
春に渡ってきた燕が南へ帰っていく様子を「秋燕」と言うそうです。

今朝商店街を歩いていて、海苔屋が店を閉じてしまったことを知りました。
いまどき海苔だけの店なんて珍しいとも思わぬほど、気の良さそうな老夫婦が海苔やら煎餅やらを商っていた風景は日常の中に溶け込んでいました。
だからでしょうか、一瞬虚を衝かれたように胸に痛みを感じました。

ここに越して干支が一巡りもする間に、この店で買い物をしたのは二、三回だと思います。
什器も持ち出されてしまって空っぽの店の前で、わずかしか買い物をしなかったことを、なんだか悪いことをしたような申し訳ない気持ちになりました。
無くなっても困らない店。
それでも通い慣れた商店街の風景になくてはならない店だったような気がします。

この商店街に巣をつくっていた燕が来なくなってもう何年経つでしょう。
身に馴染んだ小さな風景が失われてゆく秋。

ベランダの小さな里山ユニットで変わらぬ季節を過ごすガマズミが、初秋の日差しを浴びて実を赤く装いはじめていました。

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