恵比寿日和

みの中の福

ジル・クレマンさんの講演会で京都を訪れた際、先斗町にある三福という方泊まりのお宿にお世話になりました。

先斗町は小さなお店が軒を連ねる繁華街で、舞妓さん、芸妓さんが行きかう花街。
そんな賑やかなところに、三福さんはうっかり通り過ぎてしまうくらい静かに佇んでいました。

建物は大正時代に建てられたものでもとはお茶屋さんだったそうです。
うなぎの寝床といわれる間口が狭く奥行のある京町家で、小さいながらも風情のあるほっと落ち着くお宿です。
畳のお部屋にこたつ。入ったらもう自分の家のようにくつろいでしまいます。
窓からの眺めもこれまた良いのです。
お部屋のすぐ目の前を流れる鴨川。
犬の散歩をする人、ジョギングをしている人、通勤・通学の人、、子供と散歩をする人・・・
鴨川は日常的にとても身近な存在なのですね。

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もう少し暖かくなると川沿いの桜が咲き、その足元にはユキヤナギやヤマブキが色を添えるそう。


そしてぐるりとお部屋を見回すと・・・!
なぜか箕(み)に入ったお多福さんが!!

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箕は昔から使われていた農具で、穀類などをあおってふるい、殻やごみなどを除く道具です。
余談ですが、今でも現場で剪定した枝葉を入れて運んだりするのに使っています。
女将さんによると、不要なものを吹き飛ばして必要なものが残ることから、お客様に要らないものは置いて帰ってもらい、福だけ持ち帰っていただけたらというそんな想いが込められているとか。

「みの中に福」で「三福」、宿の名前の由来だそうです。
いいお宿に泊まりました。


ブログ印_ASA.jpgのサムネール画像

 

 





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