恵比寿日和
和歌山 田辺 どこまでもパラダイス
熊野三山の入口と言われる滝尻王子から、さらに山あいに入った温川(ぬるみがわ)に、その「パラダイス」はある。
長閑に広がる田畑に囲まれた場所に1年前にできたカフェ。
その名も「パラダイス カフェ」。
カフエのアイドル風太君がのんびり眺める温川は、どこまでも長閑だ

エントランスには「グリーン.スペース 温川」の大きなサインがあって、ここがただのカフェでない事を予感させる。
広々としたカフェスペースには、ヴィンテージなソファがゆったりと置かれ、テラスからは気持ちのいい風が吹き抜けて行く。

このカフェを運営する(株)ホワイトスペースは、和歌山の田辺市に本拠を置くグラフィックデザインの会社。パラダイスカフェができてからは、この場所にオフィスを移したという。
実は、5×緑が参加したシェアオフィスに、ホワイトスペースさんの東京事務所も加わった。
縁というのは不思議なもので、ほどなく和歌山の田辺でワークショップを開くお話があり、その帰りにこうして足を伸ばしてカフェを訪れることができたのである。
カフェの名物は石窯のピザ。
クリエイティブディレクターOさんがピザを焼き(最初にお会いした時「ピザ職人です」と自己紹介された時は面喰らった)、A 社長自らがカットする。
山で出る間伐材を利用するために石窯のピザをメニューにしたとか。で、ディレクター自らがビザ焼きを一から修行したというわけ。
私たちがテーブルに座っていると、A社長がやってきて、「焼きカレーは?注文した?」
私たちがピザしか頼んでいないと言うと、「そりゃあかん」とそそくさと立ち上がって厨房へ。
このカレーが絶品だった。
もちろんピザも。
特製のブレンドコーヒーは驚くほどコクがある。
うーん!パラダイス!!

元は紡績工場だったというその場所は、バックヤードも広く、そこに地元の和紙の作家が作ったというインスタレーションが展示されていた。

ここで定期的にコンサートが開かれているという。
温川の隣の龍神村にはここ数年、アーティストや作家が移住していて、それぞれに活動していたが、このカフェができて、ここがネットワークの結節点になっているようだ。
この日もカフェの中で、草木染めや和紙などの作品が即売されていて楽しかった。
ホワイトスペースさんにはグリーン事業部があって、なた豆の生産に力を入れている。

長さ30cmから50cmにもなるなた豆は、古来から漢方として重宝されていて、パラダイスカフェでも健康茶として販売している。

時代の先端と切り結ぶようにしているであろう広告の世界に身を置く会社が、どうして緑濃い和歌山の地にこだわるのか。
この春、遠野で出会った徳島の神山町にオフィスを移したIT企業Sansanの寺田さんたちのことを思い出した。

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