恵比寿日和
遠野滞在記 その2 白銀の世界と色
遠野で過ごす一番好きな季節 -冬-
ぴりっと緊張感のある澄んだ空気、一面の銀世界、きれいな夜空・・・
都会の暮らしでは普段使っていない感覚が呼び起こされ、本能的な部分が刺激されるという感じ。
自然と向き合う真剣度が高いというのでしょうか。
寒く長い冬に備え、<その1>編のように身体を使って薪割りをし、米・豆・根菜類を備蓄したり、味噌を仕込んだりと日々の営みが生きるということにつながっている―。
都会ではその営みを他人に委ねていることがほとんどで、それが当たり前になっていて、
便利で助かる一方で生きることを他人まかせにしてしまっているような気がして
ふと怖いなと思うことがあります。
だから冬の遠野にくると、背筋がピーンとするのです。
雪の中を一回りしたあとのランチでのこと。フレッシュな野菜たちの色が目に飛び込んできました。
遠野に来るたびに感じていたことですが、今回はことさらです。
白銀の世界から色の世界へ。
はじけ出るようなエネルギーを感じ、食べたら元気が出る!と思いました。
ありがとう野菜たちと心の中で感謝。
お次はこちら。何でしょう?
ゆでた人参を数日間寒風にさらした干し人参です。
フレッシュな野菜とはまた違った鮮やかさがあります。
噛めば噛むほどに滋味深い甘みがあり、お気に入りに。
自然をうまく活用した人の知恵に感心しかり。
みんなとはぐれ1人雪の中を歩いていると、知っている場所なのになぜか心細くなってきて・・・。
陽を浴びて光るような栗色をした馬たちを見つけ、ほっと一安心。
彼らが温かいことを知っているからでしょうか。
スノーシュー(現代版カンジキ)で散策する仲間たち
昔は藁で編んでいたカンジキも現代版は赤、青、シルバーと様々。
みなさんもカラフルです。雪の中では何かあった時のために目立つことも大切です。
他の季節では自然の創りだす様々な色の方に目を奪われていましたが、
白銀の世界で色の持つメッセージだったり、記憶だったり、色々なことを改めて感じました。
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