恵比寿日和

ナメクジの逃走路と地上100メートルのカエル

雨の降っている間ベランダに出していた観葉植物を引き上げた。
植木鉢の下にナメクジが一匹。

「珍しいな、最近見かけないけど」と思って見ていたものの、その朝は梅雨に似つかわしくない快晴で、ジリジリと日差しが照りつけている。
突然太陽を浴びて、ナメクジはもぞもぞと動き始めたが、なにしろ体調2センチばかりの彼らにしてみれば、日陰のあるフェンスまでは、遙かに遠い。
「どうするんだろう」とちょっと心配になる。

そんなこちらの気持ちを余所に、ナメクジは、板の間の隙間から裏側へものの1分で避難を果たした。

なるほど。彼らには彼らの見えている景色、というものがあるのだ。

そういえば、5×緑の里山ユニットを置いた、高層マンションにカエルがいた。

圃場で里山ユニットをつくっていると、すぐにカエルが寄ってくる、と矢澤さんは言う。
里山ユニットは植物がカゴに入っていて地面と離れているので、天敵の蛇を逃れ、少しでも高いところへ身を隠すのだろう、というのが矢澤さんの意見だ。

里山ユニットを運び込んだ時に、それと気づかずに一緒に連れてきてしまったのだろう。
里山ユニットを運んだのは1月だから、半年近くは生きていることになる。

突然地上100メートルのコンクリートのテラスに来てしまったカエルはどんな気持ちでいるのだろう。
戸惑いながら、毎夜都会の月を見上げているのだろうか。
そして、孤独に一人、我が身の運命について考えを巡らせているのかもしれない。

それとも、そこは天敵が皆無で(何しろ地上からは遙かに離れている)、適度に餌や湿り気のある過ごしやすい別天地なのだろうか。

このカエルを回収して、元のサバイバルでタフな世界に戻すべきか、現在思案中である。
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