恵比寿日和

2012年

冬至にゆず湯を

今日は冬至。
ゆず湯なぞに入ってゆっくり温まりたいものだ、などと思っていましたら、K久保さんから素敵なクリスマス プレゼントをいただきました。
ゆずの香りのバスソルト!!

去年はぷかぷかゆずを湯船に浮かべたけれど、今はこんなおしゃれな楽しみ方もあるのね!とみんなで盛り上がりました。

K久保さんによると、昔はゆずの香が邪気を払う、とされていたとか。

この時季は「ん」がつく食べ物を食すると、開運するとも言い伝えられていたそうです。
れんこん、だいこん、にんじん、なんきん・・・
どれもこの時季に身体を温め、滋養をつけるものばかり。うまくいいなぞらえて、理にかなった食事ができるようになっているのですね。
と、感心しながら、みんなで「ん」のつく食べ物をあげていたら、Y内さんが「モンブラン!」。
いやいや、それは違うだろ。

バスソルトのように、今風に形を変えても昔の教えが伝承されるのは素敵なことだと思います。
今晩はゆずの香のお風呂に入って、ほっこりします。

みなさまも良いお年を。
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MARKS & WEB のバスソルト 
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かく小さき葉にも

明治神宮参拝の折り、小春日和に誘われて、神宮御苑にまで足を伸ばした。

「みやこのそとのここち」と御製にあるとおり、しばし都心にいるのも忘れて木漏れ日のなかを歩く。

盛りを過ぎかけた紅葉は、しきりに葉を舞い落としている。
その様が面白くて、歩を止めてしばし見とれた。

かく小さき葉にも紅葉の色分けて  汀子

小さな葉っぱのなかにも息づく秋の色味が愛おしく、少し拾い集めてみた。
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形の良いのは友人への手紙に入れたので、残ったのは少し折れたりちぎれたりしている
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冬隣

庭の石蕗がほころび始めました。
紫式部の実の色も深さを増して秋の深まりを感じさせます。

気がつけば、そぞろ寒の朝晩。師走の声も聞こえてきて、いつの間にか秋も終わりです。

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うちの庭にも

うちの庭にも秋がきました。

今年の夏は本当に暑かった。それでも季節は確実に動いています。

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土用芽

土用の頃伸びる植物の新芽のことを土用芽といいます。

今の時期、植栽の手入れに行くとテイカカズラの徒長が凄くて驚かされます。
宙に向かってぴゅんぴゅんと枝を伸ばす様子はなかなかの見物です。
( ピンチが大変ですが。。。)

さて、贅沢にも我が家の庭師として来て下さる造園家の山本紀久さんから「土用芽を出させるために剪定しなくちゃね」とご連絡いただいたのが先月のこと。
今月初めに、山本さんと「その技を間近に見たい!」と来てくださったランドスケープデザイナーの方と大学生2人組、そしていつものこはるちゃん母娘と、メンバーが揃って、剪定作業をしました。

2月に剪定したのに、もうこんなです。
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山本さんのはさみ捌きはいつ見てもカッコイイです。
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今回はヤマアジサイを植えて。
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剪定後。見違えました!!
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全員揃って記念撮影。
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雨の降っている間ベランダに出していた観葉植物を引き上げた。
植木鉢の下にナメクジが一匹。

「珍しいな、最近見かけないけど」と思って見ていたものの、その朝は梅雨に似つかわしくない快晴で、ジリジリと日差しが照りつけている。
突然太陽を浴びて、ナメクジはもぞもぞと動き始めたが、なにしろ体調2センチばかりの彼らにしてみれば、日陰のあるフェンスまでは、遙かに遠い。
「どうするんだろう」とちょっと心配になる。

そんなこちらの気持ちを余所に、ナメクジは、板の間の隙間から裏側へものの1分で避難を果たした。

なるほど。彼らには彼らの見えている景色、というものがあるのだ。

そういえば、5×緑の里山ユニットを置いた、高層マンションにカエルがいた。

圃場で里山ユニットをつくっていると、すぐにカエルが寄ってくる、と矢澤さんは言う。
里山ユニットは植物がカゴに入っていて地面と離れているので、天敵の蛇を逃れ、少しでも高いところへ身を隠すのだろう、というのが矢澤さんの意見だ。

里山ユニットを運び込んだ時に、それと気づかずに一緒に連れてきてしまったのだろう。
里山ユニットを運んだのは1月だから、半年近くは生きていることになる。

突然地上100メートルのコンクリートのテラスに来てしまったカエルはどんな気持ちでいるのだろう。
戸惑いながら、毎夜都会の月を見上げているのだろうか。
そして、孤独に一人、我が身の運命について考えを巡らせているのかもしれない。

それとも、そこは天敵が皆無で(何しろ地上からは遙かに離れている)、適度に餌や湿り気のある過ごしやすい別天地なのだろうか。

このカエルを回収して、元のサバイバルでタフな世界に戻すべきか、現在思案中である。
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招かざる客ですが

うちの庭にかわいらしいピンクの花をつける草がはびこっています。
植えたものではないので、招かざる客、ではあるのですが、雑草として取って捨ててしまうのもどうかと思い、そのまま部屋に飾りました。

 
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この草の名前は爆蘭(ハゼラン)。
ウィキペディアによると熱帯アメリカの原産で観賞用に明治初期に渡来したとか。

写真のように丸い蕾でいることが多く、線香花火を連想させることからこの名前が付いたそうです。
うちの庭にとっては、いわば雑草ですが、こうしてみると「雑草」にも見所があると思ったり。楽しみ方もさまざまです。
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高層階での再会

今年のはじめごろ、緑化ユニットを設置させていただいた某タワーマンションへ

毎月メンテナンスにお伺いさせていただいています。

先日、緑がわさわさと順調に生い茂っている現地へ再度お伺いしたところ...なんと!

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かえるさんが!!!

実はこのかえるさん。

2か月前にもお会いして、また次も会えるかな...とドキドキして、先月お会いできずにさみしい気持ちになっていたのでした。

ここはタワーマンションの24階部分の外部テラスです。

他の敵もいなくて実は棲みやすいのでしょうか。

来月も会えますように。

夏の暑さに負けずにお元気で...!!!!

ヘリテイジ

バラが美しい。
ご近所のお庭もここぞとばかりと咲きみちている。
今から15年ほど前はバラにのめり込んでいた。
来る日も来る日もバラのカタログを見ては、あれこれと取り寄せ、あたりかまわずに狭い庭に植えていた。
気がつくと、30種類近くのバラを植えていた。

バラの美しさは努力しないと、得られない。
ともかく、いろいろ手がかかる。剪定、肥料、防虫・・カレンダーに合わせて、気がもめる日が続く。
ご近所のベテランに教えを請いながら、手をかけると。それなりに狭いながらも満足するほどバラは咲いてくれた。
しかし~~。何のせいだか、庭の植物に皮膚がかぶれてしまい、すっかり、それを理由に、ご無沙汰になってしまった。

ということで、わが庭はずっとほったらかしの藪化状態なのだか、そんな不精者の庭にもバラの天使は舞い降りてくれる。
その名も「ヘリテイジ」
玄関先のヤマボウシに絡みつくようにツルを伸ばし、やさしい香りを放ってくれる。
うっとりするというのはこのようなことをいうのだろう。
また、バラにのめり込みそうな予感がする。


 六月を綺麗な風の吹くことよ                  子規 

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パンとユーカリ

RARIさんが那須から上京されて、久々に一緒にご飯を食べた。

RARI さんはいつも居心地のいい那須の空気をまとっていて、そして、会うとかならず何だか心にとめずにはいられない、ちょっとしたギフトを持ってきてくださる。
そのセレクトのセンスにはいつも脱帽なのだけれど。

この日は一枝のユーカリをいただいた。

RARIさんは今も月に一度恵比寿のkusakanmuriという花屋で、花を楽しむレッスンをしている。
http://www.kusakanmuri.com/lesson/rari_yoshio_f.html

            6月10日はフラワーネックレスづくり
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RARIさんと行ったSHARED TERRACEのパンがおいしかったので一杯買いこんでしまった。。。

           RARIさんにいただいたユーカリの枝と
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     パンは翌日みんなとランチに。5×緑女子のお腹の中におさまりました。

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一雨ごとに、庭の花


一雨ごとに緑が濃くなります。
うちの庭、今はこんなです。
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菖蒲湯

5月5日の子供の日に菖蒲湯に入る人が増えているのか、最近店先で菖蒲を見かけるようになりました。

昔から邪気を払うと信じられてきた菖蒲。節句に菖蒲湯に入ると夏を元気に乗り越えられる、と言われています。実際に薬効もあり、アロマ効果も期待できるとか。

暮らしの歳時記を紐解くと、植物の楽しみも広がります。
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花見と露店

桜の季節になると、毎年近くの洗足池公園に散歩に出かける。

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10年前に引っ越してきたとき、たくさん屋台が出ているのに驚いた。
それも、綿飴、金魚すくい、射的にたこ焼きと、うちの田舎でもみかけなくなったようなクラシック!な露店が多い。

今年も屋台の間を巡りながら、ふと「世知辛い世の中、こんな縁日のような風景もいつまで続くのやら」などと思っていたら、各店にアンケート用紙があるのに気がついた。

どうやら、露店に反対の動きがあるようで、それに対抗するため「露店に賛成」の署名を集めているらしい。

「あぁ、やっぱりそういう時代なのか」と、アンケート用紙が少し淋しく見えた。
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春の心は

世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし  在原業平

 

北海道出身の私にとって、ソメイヨシノのみごとな咲きぶりは、何年たっても心をざわざわさせます。

きれいだなとかうれしいなとか、そういう感情の中にもう一つなにかある。

落ち着かない、終わりや始まりの合図に思えるからでしょうか。

そんな気持ちを友人に伝えたら、

そうそう、教科書にのってたまさにあの句みたいなことだよね

と言ってこの句を教えてくれたことを、春が来るたびに思い出します。

今年も私の心はのどけからまし。

桜も過ぎてすこしづつ夏に近づくこの季節が大好きです。

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桜考

日本人にとって、桜ほど再生の徴にふさわしい花はないだろう。

昨年の震災の後、私たちのサイトにも再生への祈りを込めて、那須在住の作家、RARIさんに描いていただいた桜の花の絵を掲載した。

今年のアカデミー賞に、東日本大震災をテーマにした短編ドキュメンタリー「津波そして桜」がノミネートされた。
監督のルーシー・ウォーカーさんは、「一輪一輪は目立たないけれど、群生して咲いたときの桜の美しさが、震災から立ち上がる日本人の姿に重なった」といった趣旨のことを話されていた。

桜といえばソメイヨシノだが、これは一つの個体から接ぎ木によって増やされた同じ遺伝子を持つクローン樹で、そのため「同じ環境におけば同じ花を同じ時期に咲かせ、群植すれば霞か雲かの風景を生み出す」と山本紀久氏の「造園植栽術」にある。
一方、ヤマザクラは、大半はその地に自生する種子から育った実生の個体で、異なる遺伝子を持つ。ヤマザクラについて山本氏は「異なる花や葉の色をもつ樹々が、微妙な時間差をもって山々を彩る風景もまた圧巻である」と語っている。

平安の昔から、我が国で「花」といえばそれは「桜」を意味していた。
しかし、遠く古人(いにしえびと)が見ていた桜は、現代風の一斉に開花して散る桜ではなく、遠い山辺に微妙な色の濃淡を描きながら次々と咲く桜の風情であったことだろう。

東京の開花宣言も、もうまもなくである。
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うちの庭にも春

今年は春が遅かった。
先月剪定したばかりのうちの庭にもようやく春がきたようだ。
我が家の春告げ木、山茱萸の花が咲き、沈丁花も蕾をふくらませている。
樹木の足下をかざるクリスマスローズを一輪とって部屋に飾った。

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人生に人に自慢できることとてないが、ひとつだけ、我が家の小さな庭をプランタゴの田瀬理夫氏が設計して基盤を作り、愛植物設計の山本紀久氏が植栽して下さったことだけは自慢である。
以来、うちの庭の剪定は山本さんが取り仕切ることとなった。山本さんを庭師に抱えたようなもので、贅沢なことである。

山本さんは、今年「造園植栽術」という素晴らしい御本を上梓されたばかりで、
https://www.5baimidori.com/news/201201-post-47.html

昨年はお忙しいだろうとお声をかけずにいた。
なので、剪定作業も約2年ぶりである。

我が家の剪定には、山本さんの他、チーム5×緑の面々が集い、作業を終えてうちで「飲み会」になだれ込むのが通例である。

今年は5×緑のサイトを作成いただいたコマースデザインプロダクトの鈴木富士子社長が参加。早速、彼女のブログに当日の様子をアップして下さった。

http://www.cmrc.co.jp/blog/


2年たって伸び放題になった庭木を、山本さんは迷うことなく刈り込んで大まかに形を整えていく。
前回はその鮮やかさに目を奪われたが、今年は、大まかに形を決めた後、細やかに木の成育を見届けながら枝を抜いていく、その丁寧さに気づかされた。

素人の私に、その技の真価を語る力はないのだが、それでも毎朝、清しく刈り込まれた庭を通り抜けるたび、絶妙な感覚で止めたり抜かれたりしている樹木の刈り跡が目に残る。

before  ここは東京?っておもいますよね。
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お手伝いにかけつけてくれたこはるちゃんもアドベンチャー気分?
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作業は人海戦術で
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庭の落ち葉の下で眠っていたらしきカエルさん。こはるちゃんが「葉っぱちゃん」と命名。
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巨匠と並んで出来映えを確認!?
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after こんなにスッキリ! この春の伸びやかな新芽が楽しみです。
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さて、山本さんの手業は室内の観葉植物にも及んだ。
こういう達人には、庭木に限らず植物を見ると、その植物が持つ本来の美しい姿がたちどころにイメージできるものであるらしい。

30年連れ添った室内のガジュマルを見ると、やおらノコギリを取り出して、太い幹に刃を入れた。
たちまち、武骨な太い幹が目立っていたガジュマルは、スッキリとチャーミングな立ち姿に!

雲南棕櫚竹(もどき?)は、「もどき」だけに雲南らしい細い葉と太い葉が混在している。
目ざとくそれに気づいた山本さんは(恥ずかしながら、四六時中木を見ていたfはずの私は、葉の太さの違いに全然気づいていなかった)、太すぎる葉に切り込みを入れ、更に多すぎる葉を取り去って、形を整えて下さった。
その技に、見ているみんなも思わず拍手!
(雲南棕櫚竹のbefore・afterは上の鈴木さんの「社長ブログ」をご覧ください)

作業をする山本さんがまた、実に楽しそうなのである。

植物を相手にする造園や緑化やランドスケープの仕事は、本来こんなにも心楽しいものなのだと、山本さんに会う度に教えられる。
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コバルトブルーの実

オフィスの里山ユニットのノシランに実がなりました。

時々、植物の実のあまりのつややかさに息をのむことがあります。

チーム5×緑の矢澤ナーセリーさんでも、ノシランの結実はあまり見られないとか。
矢澤さんに「いいことがあるかもしれないですよ〜」と言われて「こいつは春から」とちょっといい気分になりました。
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雪の花

今朝、窓越しに外を見ると雪が積もっていて!しかも晴天!ときたら
それだけでなんだかウキウキしてしまいます。

オフィスへ移動中、足元に気を取られつつもふと見上げると
冬姿のケヤキの枝先にまとった雪がまるで花が咲いているかのよう。

いつもの道、いつもの景色が雪を通して違う表情を見せていて、楽しい時間になりました。


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京の町家は市井にあって、道に面した「ミセ」が生業(なりわい)の場となり、その奥側に「オク」や「ハシリ」と呼ばれる生活空間があった。

生業の場と私的空間との間は、多くは暖簾や衝立で仕切っただけの簡単なつくり。内と外の境界は曖昧で漠然としている。
そういえば、外に立てかけられた犬矢来は、竹を曲げて並べただけの簡単な造作だが、私有地と他所とを分ける結界の役目を果たしているという。

すべては「ここから先へは立ち入れぬ」という決まりごとの世界。
モノで囲わず、家は表と柔らかくつながりながらも、暗黙の了解で私と公を峻別する。

昔の人は、人と人との間合いの取り方を十分承知していたということだろう。
洗練された大人の付き合いは、生活作法の中から自然に生まれたものだと思う。
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河合貫次郎記念館の犬矢来 
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山種美術館の前にある5×緑の「カズラ垣」は犬矢来を模したもの
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