恵比寿日和
みずそら色の春
2011年3月 7日
しゅんじつ いしずちさん
春日の 海のぶつかる石鎚山
冷蔵庫の中にいるような寒の戻りだった。
暖かさに慣れ始めてきた身体にこの寒さはしみじみ堪える。
もうそろそろしまおうかと思っていた重たいコートを取り出して、これで最後であってほしいと思いながら袖を通す。
春を切実に待ちわびるのは、決まってこの時分。
山茱萸が咲き、あともうひと息でマンサクが咲きだしそうな・・・そして春分まであと一週間ほどというころである。
瀬戸内海に面した温暖な街で育った身にとって、春の色はみず色とも空色ともつかない淡い"みずそら色"のグラデーション。
淡い海のみず色は空に移り、空色となる。それはそのまま峻険な四国山地の山並みに溶け込んでやや深みを帯びていく。
この、海から空へ、山へとつながる景色のなかにいると、果てない宇宙の色は紺色でも、青色でもなく、みず色と空色が混じった"みずそら色"に思えてくる。
そんなことを感じるのも、瀬戸内海があまりにも穏やかにきらきらゆらめいているからだろう。
あともう少しで春本番。
そんな頃の瀬戸内の街は、人々の顔つきまでも穏やかな記憶の中にある。
春のバス 伊予柑色に染まり来し
伊予鉄バスはこんな、
色だったかと・・・。
2月の句会の様子は、以下で覗けます。
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/day-20110227.html
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