まちを将来世代につなぐプロジェクト 大埜地の集合住宅

徳島県の神山町は、町の中央を鮎喰川が流れる人口5300人の中山間地です。

2004年に光ファイバー網を整備し、IT企業のサテライトオフィスが進出するようになり、地元のNPO法人グリーンバレーによる「神山アーチスト・イン ・レジデンス」などでも注目されるなか、「まちを将来世代につなぐプロジェクト」を発表。
神山つなぐ公社が設立されて、町と協同しつつ横断的な活動を展開しています。

そんな神山町が「まちを将来世代につなぐプロジェクト」として手がけているのが大埜地の公営の賃貸住宅です。
5×緑はここに、土留めや庭園灯、門柱などランドスケープ・デザインのための資材を提供しています。


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第2次入居が始まったばかりの大埜地の集合住宅を訪れました。
町営住宅とは思えない、おしゃれで開放的な佇まい。
設計は山田貴宏さんを中心とする建築チームと、田瀬理夫さんを中心とするランドスケープ・チームで進められました。

建築は、神山杉を使った木造2階建です。

植栽は、神山の山から種や実生苗を採り、城西高校神山分校の造園土木科の生徒が中心になって、育てた苗木が植えられています。


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この場所にはかつて、中学校の寄宿舎「青雲寮」が建っていました。
寮を解体したガラは、粒度ごとに選別されて活用され、一部は住宅周りの土留めや階段として使われています。


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目隠し用の緑化フェンスや門柱、庭園灯などにも5×緑のstandard worksが使われています。


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大埜地住宅は、8つの住棟に分かれた全20戸。
夫婦や家族のための87m2の住戸を中心にバリアフリーや、単身者向けのシェアルームなどが用意されています。

公共事業の多くが町外の施工会社によって建設されますが、このプロジェクトでは町の大工さんが建設できるよう、工事を細かく4期に分けて進めています。
また、木造建築に神山杉を使うため、これを機に「町産材認証制度」もつくられました。
お湯はペレットボイラーから供給され、床暖房にも利用されます。

今後は、鮎喰川沿いに「鮎喰川コモン」と名付けられたスペースができます。草地の広場や施設は町民にも開かれ、コミュニティを育む場所になることでしょう。


*第3期入居募集が始まっています。
http://www.town.kamiyama.lg.jp/co-housing/residents03.html

*7月末に東京でイベントがあります。
http://www.town.kamiyama.lg.jp/office/soumu/info/2019/07/post-79.html

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