活動レポート&里山便り
2013年
毎回地元の方たちの趣向を凝らした企画が楽しい。
日本には「お・も・て・な・し」の風習があって、今はそれが流行り言葉のようになっているけれど、この里山に来るたびに、昔ながらの本物の「もてなし」がしっかりと残っていることを感じる。そして、訪れたわたしたちの心も温められるのだ。
秋晴れに恵まれ、ホッコリ和む1日となった。
今年はみんなで苔玉づくり
わたしの苔玉をお地蔵さまにお供え
どんぐりから育てた苗を仮植。来年山に植えます
雑木林の散策で出会った野菊(ノギク)、千振(センブリ)、竜胆(リンドウ)
おやつは昔懐かしい炭酸まんじゅう
秋空の下、ミニコンコンサートも
イベントの会場となった小砂(こいさご)地区は、「美しい村」に指定された。
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那珂川町林業振興会の「どんぐり交流会」が、今年も小砂の森で行われました。
県からの補助金を得て5年計画で約5町歩(5ha)の整備と維持を行うもので、ヤブ化した林床を刈払い、生物多様性を促進するとともに、「よろこびの森」と名付けられた広場や雑木林を拠点に都市との交流を目的としています。
事業に携わる地元の林業家(本物の木こり!)のお話を聞くと「プロでも引くほど」シノダケが密生したヤブを刈払っていくと、自分たちでさえ知らなかった小川が現れて驚いたとか。
明るくなって光がさすようになった林床には様々な植物がたくさん出現し、花を求めて虫たちも戻ってきています。
今回は、こうした植生の回復を見てもらいたいと、植生調査の専門家の荒井浩司さんを招き、植物観察会を行うことになりました。
5×緑は、毎年このイベントに参加していますが、今年は地元の「美玉の湯」さんのご厚意でマイクロバスを出していただいたことから、5×緑でも広く参加者を募ることができました。
定員の25人を越える参加をいただき、「東京の人たちが大勢来てくれた!」と地元のみなさんにも大変喜んでいただきました。
地元の皆さんも含めた参加者は45人にのぼりました。
キバナアキギリ、オトコヨウゾメ、ゴンゾウ、フタリシズカ、アカネ、ヒメシオン......木々の足元には多様な下草が再生しています。子供たちが、荒井さんに教えてもらって名札を立てたり、モミジイチゴの実を摘んで食べたりしながら、森で過ごしました。
池も木こりのみなさんが、寒い時期に水に入って、中にはびこるヨシやガマズミをきれいにしたそうで、今では珍しくなったタヌキモが生え、ギンヤンマが水面に訪れていました。
おいしいかまど炊きのご飯をご馳走になった後は、木の伐採や刈払い機を使った林床管理など、森の管理の作業の様子を見せていただきました。
木こりの技を拝見しながら、人の手と自然が織りなしてはじめてできる里山の成り立ちについて、想いを新たにすることができたように思います。
緑が濃くなり始めた森の中をみんなで歩く
お昼は、野外でかまど炊きのご飯を山盛り!
「これくらい食べないともたないよ」
天ぷらも山盛りで
午後からは、木の伐採や刈り払いなど山の管理について、「木こりの技」を見せていただいた
山の管理の様子。刈り払い後はこんなにきれいになった林床も。。。
元はこんなに藪だらけでした
先生は、木工細工も料理も得意な振興会のアイドル、「キョッ(シ)さん」。
(注)シの音はほとんど発音しません。
この日のためにいくつもヤジロベエを作ったのか、右と左でバランスの取れる枝を瞬時に見分ける!
左右がつりあわず、モタモタしている私が、救いを求めるようにキョッ(シ)さんを見ると、右側の枝を捨てて、即座に「コレがいい」と選んでくれた。
「エーッ、コレ!?」。
それまで私が作っていた枝は、きれいに円弧を描いていかにも右と左が相似形の枝。
でもキョッ(シ)さんが差し出した枝は、いびつに曲がっている。
ところが驚くなかれ、ドングリをつけるとこれが見事にバランスした。
キョッ(シ)さんは、ヤジロベエの腕選びの天才である。
弾はセンダンの実。
木にぶら下がった灯油缶を的に、的あて大会のはじまりである。
何回やっても一向に当たらない私(そう、子供たちに混じってしっかり参加していたのである。でも気がつくと大人たちも嬉々として参戦していた!。)の横で昭二さんが一発で灯油缶を揺らした。
一発必中、流石である。だてに昔遊んでいない。
というように、子供のためのイベントは、山の人たちの意外な(!?)才能を発見する場でもあったのだった。
さて、下の写真の中央に浮かぶ不思議な物体は何でしょう?
答えは氷です。
「お昼だよー」と山のお母さんたちに呼ばれて、雑木林から下りてきた子供たちは、
凍った池を見つけて早速遊びはじめた。
子供は、遊びを見つける天才だ。
小さな流れに張った氷を割って、池まで運んでは、土手の上から投げて、
氷を割る遊びに夢中になり始めた。
写真は、しめしめ超特大の氷をうまく割って「エイヤッ」とばかり投げた瞬間である。
土手の上では大人たちが「あーあ、あんなにはしゃいだら、誰か水にはまってしまうぞ」と言いながら、尻もちつく子がいても慌てず騒がず、鷹揚に、でもしっかりと見守っている。
大人たちが先回りして、全ての危険を取り除いて、指ひとつはさむ隙間もないように
厳重にに管理された都会の遊び場。
「正しくケガをする」ことを子供たちは、いつ学ぶのだろう、と思ってしまう。
「子供は風の子」。もう死語かな、と思っていた、そんな言葉を久しぶりに思い出した。
ガラス屋さん!?、いえいえ、上手に大きな氷を割り取ることができて、意気揚々。
池までセッセと運ぶ子供たちです。
氷の上を駆け回る子供たちのかたわらで、一人静かに何かを拾い集めている男の子がいた。
彼の心を捉えたのは、不思議な形をしたハスの実。
「これには、こんなに種が入っているよ」とわざわざ見せに来てくれた。
末は植物学者かな。こんな子がランドスケープ・デザインの仕事をしてくれるといいのだけれど。
あんなに晴れやかな子供たちの歓声を久しぶりに聞いた気がする。
子供たちに自然の中で遊ぶ楽しさを教えたい!そんな思いから生まれたイベントだ。
きれいに手入れされた雑木林の中には、山の男たちが一生懸命つくったであろうブランコやジャングルジムやツリーハウスが並んでいる。
木の枝とロープでつくられたたくさんの遊具。
この日ばかりは、みんながトム・ソーヤーやターザンだ。
やんちゃな子も恥ずかしがり屋の子も全力で遊んでいた。
振興会の会長さんが息を切らしてブランコを押している。
弾むような声。子供たちの身体もロープやブランコの上で弾んでいる。
緩んでしまったロープを直しに山の男たちが駆けつける。
そんな混じり気のない山の人たちの優しさに触れて、心が温かくなっている自分がいた。
外気温は0°C。でもちっとも寒くなかった。
前のブログ(恵比寿日和)で「大人の迷子たち」というエッセイがあることを書いたけれど、ここには「迷子の大人」はいない。
「本物の大人たち」が、冬の日だまりのような眼差しで子供たちを見守っていた。
写真 1-3枚目 撮影 米田和久氏
自称里山ガールのスタッフYです。
里山ガールであることを忘れるほどの引きこもりぶりですが
今年こそは!!自他ともに認める里山ガールを目指すべく!!
秋の里山体験に続いて冬も行ってまいりました!!
いつもお世話になっている栃木県那珂川町の那珂川町林業振興会の皆様のエスコート。
今回のテーマは"森であそぼう"というわけで、
というよりは、今回はカレーが食べられる!という有力情報に心躍らせて(笑)
小雪がちらつく山道を超えると....!!
晴れました!!快晴です。
お天気がいいせいかすでにたくさんの人が集まっています。
すでに炊き出しの準備が......!!
イベントスタートです。今日は、森林組合のみなさまが作ってくださった森の中の遊具であそび、
ご飯をたべてやじろべえとパチンコを制作、おやつにピザを焼きます、とのこと...
盛りだくさん!!
日陰の足元には霜柱が。久しぶりに見ました。
よく踏みながら冬、学校に行ったなあ~。
そしてみんなで移動した先に現れたのは、お手製のアスレチック!!
木登りの足掛かりや、ロープでできたブランコ、ジャングルジム!!わああああ!!
子供たち大はしゃぎです。
那珂川町林業振興会の小室会長も率先してブランコにのっています。
私も大人げなく恐る恐るのせていただきましたが、
普通のブランコとはちがって、樹に引っかかっているのでたわむたわむ!!
ふわふわゆらゆらとしていてとても気持ちがよく、わああ~と大声ではしゃいでしまいました。
おままごとをする女の子たち。なにやらいろいろ集めてお部屋づくりにいそしんでいます。
池が凍ってスケートリンクのようになっています。氷の上でもこどもたちは走り回ります。
そうこうしているうちに体もぽかぽかになったところでお待ちかねのおひるごはん。
地元の皆さんがおばあちゃんを中心にして毎回絶品ごはんを作ってくれます。
今日はカレーライス。
お釜で炊き立てのご飯、外で食べると何倍もおいしいです。
ふう。やっぱりおかわりいただいちゃいました。
おなか一杯になったところで次はやじろべえとパチンコづくり。
里山から材料を手に入れて、それぞれが好きなように組み合わせて作ります。
さてー、バランスをうまくとれるかな.....とついつい熱中してしまいます。
どうでしょう。微妙な傾きもご愛嬌。腕が木の枝でそれぞれ個性的なやじろべえになりました。
大人も夢中になっています。
そうこうしているうちに陽もかげって、火の元からもう離れられなくなり
地元の皆様の井戸端に入ったり。
どこからきたの~?東京からきたの~?いやあ東京からも来てもらえるなんてうれしいわあ~
だなんて、おばあちゃんが喜んでくれるもので、それだけでこちらもうれしい気持ちになります。
そしてお楽しみのおやつターイム!!まってましたのおやつタイムです。
準備していただいていた生地をこねこね広げて、鉄板でやきます。
うすーくうすーく伸ばさないとこげてしまうのです。それぞれさまざまな形になります。
お好みで具をのっけたらピザのできあがりです。
コーンがすきだからコーンだけのっけるの!と張り切る女の子や
それはこぼれるでしょってくらいに欲張って具をのっける男の子。
みんなそれぞれ自分らしいピザができあがります。
できたぜっ!!と自信満々のようです。とっても嬉しそう。
今回もごちそうさまでした。おなかもいっぱい。はしゃいで胸いっぱいです。
何よりもこんなに人を迎えるたくさんの準備を、自分たちも楽しんで
毎回全力でエスコートしてくださる皆様が本当に大好きです。
この風景は全然あたりまえのものじゃないんです。
日々森のお世話をして、人が入れるようにして、やっと明るい森になるのです。
写真で見るとものすごく見慣れたごく普通の景色に見えるかもしれませんが、
管理されていない森はこんなにきれいじゃありません。
何気ない美しい風景をささえるひとたちがいて、きてくれてありがとうと言われるだなんて。
こんな上等のおもてなし、そうそうあるものではありません。
寒空の下こころがあったかくなるような一日をありがとうございました。
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