活動レポート&里山便り
京都 美山町訪問 8月19日~20日
ここに矢澤ナーセリーの矢澤さんの友人が住んでおられ、かねてよりその方を通して、「5×緑の植物の生産地の候補になれないだろうか」と言うお話があました。
関西はこれから強化していきたいエリアでもあります。
ということで、お盆の混雑が終わるころを見計らって、東京から、田瀬、矢澤、宮田、滝本の4人、そして関西エリア代表として畑の松本さんが参加。
総勢5人で一泊二日の現地視察を行いました。
当日午後に美山に入ってから、松本さんの車に乗せていただき、まずは周辺の環境と植生をリサーチ。
山合いを縫うように流れているのは、アユ漁で知られる由良川。あたりの山の緑を映しこんで、滔々と流れていきます。
一見豊かな緑の山々ですが、ここも多くは杉とヒノキの針葉樹。あ~あ、ここでもナラの立ち枯れは目立っています。
先日来の大雨で山にはなぎ倒された杉がそのまま放置されているところも見受けられます。
車をどんどん上流に走らせ、途中からは徒歩です。どんどん歩いて行くとだんだん5×緑で見慣れた植物が増えてきました。
ちょっと安心。
川のなかを見ると、ホタルが餌にするという「カワニナ」という黒い貝も見られます。やれやれ、ここまで来たかいがあったという気がしてきました。
さて、夜7時からが本番の会合です。矢澤さんの友人ご夫妻をはじめ、地域振興会のメンバー8人と我々5人で初顔合わせ。村の環境保全をなんとか5×緑の里山の里山保存活動と連携できないか~と云うのがテーマです。
自己紹介のあと、美山の環境をどう残していくかという熱心な話し合いがなされました。
以下、かいつまんで......
・18集落中5つが限界集落になっており、共同作業ができなくなっている、だんだん過疎化が進んでいる
・鹿の被害が急激に拡大化し、根こそぎ農作物に危害がでて、かなり深刻になってきている。
(自衛隊を巻き込んで包囲網を張り巡らしているが、それでも被害は高まる一方)
・この数年で、急激に在来種の植物が失われている。今なんとかしなければならない。
子供を巻き込んでのどんぐり拾いは可能性があると思われる
・モデルフォレストを活用することはできないか
・先を見据えて、何を守るべきか......やるならばいい加減にはできない
こちらからは、田瀬さん、矢澤さんから、里山の環境の劣化と都市の再生についての話、どんぐりキューブ取り組みの意義などについて、また、松本さんからは、畑地区での取り組みについての話をしていただきました。
約2時間の会合が終わった時は、あたりはとっぷり深い山の闇のなかでした。
失われようとする植生を保存していく活動は地道ですが、美山の皆さんは、まず何物にも代えがたい、何とか「美山の自然を自分たちの手で守っていきたい!」という原動力をお持ちでした。
印象に残った余談をいくつか~。
夜旅館で頂いた、アユ料理と、シカ肉の塩漬けがことのほか美味しかったこと。
(ジビエご法度ですが、箸が止められなかった......)
それから、大きなアオサギがいたのですが、子供のころ、松本さんはこのアオサギをずっとずっとペリカンだと思っていたこと
(ずっと思い出しては笑ってます)
それから、井上陽水の歌に出てくるホンマもんの夏休みがありました。
美山は「水」もブランドです。つめたくて、ホントウにおいしい。ほたるが乱舞するというのも納得
下層植物は残念ながら今は貧困です
集落が共同作業でくらしを支えあってきたからこそ、今も美しく存在しているかやぶきの家々
上流に行くと、在来植物は健在!です。可能性はあります!
これが天敵「シカ」の塩づけ。なんだかシカさんに気の毒だったのですが、これが実に淡白で「ん?んまい」
美山の鮎漁はつとに有名。ギュッと小ぶりのあじわい深さが身上です
約2時間ー。熱いギロンに畑の松本さんもちょっとびっくり!
モデルフォレストの候補となっている「丸山」
小学校も木造です。全校生徒は28人。豊かさが違います。
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