活動レポート&里山便り
再び畑の棚田へ
関西のアゼターフ採取地候補、
現地では、ボランティアの宮脇さんら3人が出迎え、案内くださいました。
畑地区はまだまだ在来の草花の残るところで、私(宮田)がお2人の側で聞き覚えただけでも、リンドウ、ノコンギク、アザミ、ゲンノショウコ、カンゾウ、ウツボグサ、キツネノマゴ、ヒメヤブラン、テイカカズラなどが見られました。
田瀬さんからは、畦に残る植生を増やすために他の水をぬき、田を畦と同じ高さに平にして、草刈りをしながら草地を増やす、そのなかに周りの草花を移植したり種を播いたりして、増やしていけばよいのではないか、とのご意見をいただきました。
現地で拝見した場所は、高齢のご夫婦の棚田で、高齢のため放田になっているところを宮脇さんらボランティアの人たちが草刈りをし、一部蕎麦や里芋を植えて管理しています。
蕎麦打ちや芋煮会で人をよんで田の管理を手伝ってもらうとのことですが、今は参加者も減り、細々と活動を続けていらっしゃるようです。
それでも宮脇さんは週に一度は棚田にいらっしゃるそうで、棚田がなくなることを真剣に心配されています。
お聞きすると地主の方の年齢は80歳を超え、ボランティアの宮脇さんは75歳だそうです。
地区に若者は一人もいないそうで、棚田は、これらお年寄りの手で守られています。
しかし、彼らがいなくなったらどうなるのか、400年以上続いた目の前の美しい棚田の風景は、風前の灯火の風景でもあることを実感しました。
お爺さんたちのお話のなかで印象深かったのは、戦後の農業政策のことでした。
私たちも棚田の奥のスギの植林地を歩いたのですが、森は暗く下草が全く生えていません。
スギの植林が進められた時期、多くの棚田を潰してスギを植えたそうで、今は間伐さえ難しく、下草もないために土砂災害の原因にもなっているとのこと。
雑木林にすれば、森は豊かで落ち葉も積もり、水を蓄えてくれるので、災害にはならないのに、と地主のお爺さんはおっしゃっていました。
森の貧しさに伴って野生の動物が里に下り、獣害といわれています。
その獣害対策のために、棚田の周りには何億もかけて対策用の網が張られたとか。
ほんの1日お邪魔しただけでしたが、多くの???を感じた訪問でもありました。
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