5×緑ニュース

テイカカズラの戦略 その2

先の5×緑ニュースで、テイカカズラの花と種の戦略についてご紹介しましたが、テイカカズラはつるの伸ばし方についても興味深い戦略をもっているようです。

塚谷裕一氏著作の「植物のこころ」(岩波新書)によると、アケビの類やテイカカズラは「まだ若くて上を目指すだけの体力がないうちは、地面を這いまわり、貯蓄に励む。この頃の葉は、日陰でも育つ特別な形のものである。そうして十分力がつくと、今度は上の方へ伸びるタイプのつるを出し、ほかの植物を抜いてゆく。なかなかのやり手である。」

植物たちは光を求めて激しい生存競争を繰り広げています。背を高くすれば太陽の光に早く到達し、生存上有利ですが、そのためには茎を伸ばすだけでなく倒れないように太らせねばならず、その分のエネルギーが必要になります。
つる植物は、つるを使って周りの木などに絡みつくことで、この問題を解決する戦略を採っています。
その中でもテイカカズラは生育環境に合わせて賢い選択をしているというわけです。

因みに塚谷氏によると、つるがモノに巻きつくメカニズムは簡単で、「茎のどこかが何かに触れたと感じると、その触れている面の伸びを止め、反対側の面の伸びを増す。そうするとバイメタルの原理と同じで、つるは曲がる。曲がるとつるは別の部分でまた相手に触れる。そこでまた触れた面の伸びを止めて反対の面を伸ばすわけだ。」
これを繰り返すことで相手に巻きつくことがてきるのだそうです。

しかも、つるは巻きつく間も漫然と伸びているわけではなく、時々先端をふらふら揺すって、手近に何か巻きつく相手がいないか探しているようだ、と言います。

植物たちの戦略に興味はつきません。


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