2014年1月の記事
冬の里山体験PART5
2014-01-20 (Mon)
1月25日(土)に馬頭の"よろこびの森"で冬の里山体験イベントが開催されます。
ヒロクラフトさんとのコラボイベントで、カッターナイフだけで、木片から自分のお箸を作ります!
おやつは、おばちゃんがハワイ風パンケーキに挑戦です~♪ お楽しみに!
日 時 : 平成26年1月25日(土) 午前10時~
場 所 : よろこびの森(栃木県那珂川郡那珂川町小砂3691 岡倉様隣接)
主 催 : 那珂川町林業振興会 会長 小室和雄
協 賛 : NPO法人馬頭里山本舗 代表 藤田 清
お申し込みは1月22日までにこちらへ。
rinnsinn214@yahoo.co.jp
詳しくはチラシをご覧ください。
トトロの緑
2014-01-17 (Fri)
これは、ある対談の中の宮崎駿さんの言葉です。
「ひとの居場所をつくる」の著者、西村佳哲さんに教えていただきました。
宮崎駿 もしジブリの経営がいよいよ危うくなったら『トトロ2』を作ると言って、お金を集めようと (笑)。
でも、これはもう出来ません。
まず、トトロの緑を描いてくれたスタッフたちが、僕同様にだんだん歳をとっていること。
そして、日本の緑の色がすっかり変ってしまったからです。
『トトロ』は、東京近郊の田舎とその植物を描くという、たぶん初めての試みでした。
そのときはまだ、都市近郊でも日本の在来種がいっぱい生えていたんですよ。
今ではほとんど帰化植物です。
土地をちょっと引っかいた所、宅地開発や畑はもうダメ、除草剤を撒いた所も、すぐに帰 化植物が入り込んできます。
だから草むらがあっても、スイッチョンともガチャガチャとも聞こえてこない。
在来種が生えていないので、ウマオイもクツワムシもいなくなってしまった。
コオロギは鳴いてますけど。
東京近郊で、在来種が豊かに残っているのは、たぶん皇居と、那須の御用邸のそばの 野っぱぐらいではないでしょうか。
でも、緑も回復させることは出来るんです。
文藝春秋2013年8月号より
ちょうど昨年末にかけて、東京の荒川水系の植生を調べていた時期でもあり、宮崎さんの言葉がとりわけ心に留まりました。
荒川水系の自然については、「荒川の総合調査」という埼玉県が実施した調査報告書があり、荒川流域の植物についてもつぶさに調査が行われています。
調査が実施されたのは、昭和58年から62年。
「寄居から下流のいわゆる河原が拡がる地域では、帰化植物が圧倒的に多い」「近年、オオブタクサが猛烈な勢いで繁殖している」
などの記述が見られますが、それでも記録されている植物の多くは在来のものであり、サクラソウの自生地(※)も5箇所が確認されています。
「となりのトトロ」が公開されたのは昭和63年。
ちょうど「荒川の総合調査」が行われていた時期に、製作されていたことになります。
こうしてみると、昭和60年頃を境として、日本の都市近郊の植生が大きく変わっていったのかもしれない、と思います。
「荒川の総合調査」は、まさにギリギリのタイミングで行われたことになります。
「でも、緑は回復させることは出来るんです」------「トトロ」の緑を東京が取り戻す日が来ますように。
※サクラソウ......荒川の原野の象徴的な風景であったサクラソウは、時代とともに急激に姿を消し、「田島ヶ原サクラソウ自生地」は特別天然記念物に指定されている。
「荒川の総合調査」では、1978年に25箇所確認されていた自生地が5箇所に改訂されている。
「ひとの居場所をつくる」の著者、西村佳哲さんに教えていただきました。
宮崎駿 もしジブリの経営がいよいよ危うくなったら『トトロ2』を作ると言って、お金を集めようと (笑)。
でも、これはもう出来ません。
まず、トトロの緑を描いてくれたスタッフたちが、僕同様にだんだん歳をとっていること。
そして、日本の緑の色がすっかり変ってしまったからです。
『トトロ』は、東京近郊の田舎とその植物を描くという、たぶん初めての試みでした。
そのときはまだ、都市近郊でも日本の在来種がいっぱい生えていたんですよ。
今ではほとんど帰化植物です。
土地をちょっと引っかいた所、宅地開発や畑はもうダメ、除草剤を撒いた所も、すぐに帰 化植物が入り込んできます。
だから草むらがあっても、スイッチョンともガチャガチャとも聞こえてこない。
在来種が生えていないので、ウマオイもクツワムシもいなくなってしまった。
コオロギは鳴いてますけど。
東京近郊で、在来種が豊かに残っているのは、たぶん皇居と、那須の御用邸のそばの 野っぱぐらいではないでしょうか。
でも、緑も回復させることは出来るんです。
文藝春秋2013年8月号より
ちょうど昨年末にかけて、東京の荒川水系の植生を調べていた時期でもあり、宮崎さんの言葉がとりわけ心に留まりました。
荒川水系の自然については、「荒川の総合調査」という埼玉県が実施した調査報告書があり、荒川流域の植物についてもつぶさに調査が行われています。
調査が実施されたのは、昭和58年から62年。
「寄居から下流のいわゆる河原が拡がる地域では、帰化植物が圧倒的に多い」「近年、オオブタクサが猛烈な勢いで繁殖している」
などの記述が見られますが、それでも記録されている植物の多くは在来のものであり、サクラソウの自生地(※)も5箇所が確認されています。
「となりのトトロ」が公開されたのは昭和63年。
ちょうど「荒川の総合調査」が行われていた時期に、製作されていたことになります。
こうしてみると、昭和60年頃を境として、日本の都市近郊の植生が大きく変わっていったのかもしれない、と思います。
「荒川の総合調査」は、まさにギリギリのタイミングで行われたことになります。
「でも、緑は回復させることは出来るんです」------「トトロ」の緑を東京が取り戻す日が来ますように。
※サクラソウ......荒川の原野の象徴的な風景であったサクラソウは、時代とともに急激に姿を消し、「田島ヶ原サクラソウ自生地」は特別天然記念物に指定されている。
「荒川の総合調査」では、1978年に25箇所確認されていた自生地が5箇所に改訂されている。