少ない荷重で緑量を確保するために、金網の二重カゴ(Wパネル)を用いました。
この春、川崎市内の高齢者施設のテラス・ガーデンをつくらせていただきました。
市街地で散歩もままならないお年寄りのために、屋上のテラスを庭にしようというもの。
季節を感じ、風を感じ、日射しを楽しめるような「元気でもりもりの緑にして欲しい」というのが
クライアントの要望です。
施設は既に完成していて、テラスには綺麗にデッキがはられています。
そこで、デッキの上に金網を組んで植栽基盤をつくる5×緑のシステムで緑化することになりました。
約100m2のデッキに緑のアイランドを7つつくって、周囲を常緑を主体とした里山ユニットで囲いました。
「季節や風や光を楽しめるもりもりの庭」にするために、枝を広げる高木や多様な植物を入れたいところです。
当初は、そのための土量を確保したプランになっていました。
ところが、そのままでは建物の荷重制限をオーバーしてしまいます。
場所によっては重量を1/2にする必要がありました。
荷重は土の量で決まります。しかし、土を減らせば植物も小さく、少なくなってしまいます。
そこで金網を二重にし、土圧の必要な高木の部分は当初通りの土量を、高木の足元の下草や
低木の部分は土の嵩を減らして重量を軽くしました。
金網をWにすることで、荷重制限に縛られない豊かな緑を実現することができたと思います。
※Wパネル方式は、特許申請しております。