2013年5月の記事
里山の子供たちと名札付け
2013-05-14 (Tue)
この春、川崎の高齢者のグループホーム「銀木犀」のお庭をつくらせていただきました。
そこに、里山の子供たちがどんぐりから育てた苗を植えさせていただいたのですが、日曜日に子供たちが、自分の苗に名札を付けに施設に来てくれました!
市街地で散歩もままならないお年寄りのために、季節を感じ、風を感じ、緑の中を散歩で
きるようにという施設のご希望に添って、屋上のデッキ上に里山の植物をたくさん植えました。
その中に5×緑と里山ネットワークが行っている「どんぐり里親プロジェクト」の苗木をいくつか使わせて頂いたのです。
このプロジェクトは、栃木県、那珂川町の林業振興会が中心になり、子供たちがどんぐりを発芽させて1年育てた苗を5×緑でお預かりして、都市緑化に使おうというプログラムです。
子供たちは、いつか自分の育てた苗が、都会の立派な施設に植えられることを楽しみにしています。
今回、施設の皆さんの「ぜひぜひ!」というご厚意から、このプログラムが実現しました。
そして、お年寄りが子供たちに会いたがっているという施設からの呼びかけで、顔写真入りの名札を子供たちが自分で付けに施設を訪問するという、今回の交流会に発展したのです。
やって来た子供たちは元気いっぱい!外のテラスに飛び出して、自分の育てた苗をみつけて名札を付けたり、樹名札を付けるお手伝いをしてくれました。
施設がご用意してくださったバーベキューを緑のテラスで
この日は、子供たちのためにプロの画家の方と一緒のお絵描き大会を準備して下さったのですが。。。。。。。キャンバスを飛びだして自分の足に、ついには先生の足にも!?
こうして子供たちとのコラボによるアバンギャルド?なアートが完成。
7年目のフジ
2013-05-07 (Tue)
7年前に施工をした小さな集合住宅。
環境に配慮したいというオーナーの方の意向で1階のお庭だけでなく、熱環境を考えた屋上緑化、壁にはフジを使って緑化をし、雨水を貯めて潅水に使えるシステムを導入させていただいた。
2階の庇上にも5×緑の里山ユニットを並べている。
今では公共施設にも採用いただいている、庇上の事前養生緑化ユニット(あらかじめ植栽し育成期間を取った緑化ユニット)だが、思えばその端緒となったのがこのプロジェクトであったかもしれない。
7年の時間をかけて、緑はすくすくと成長し、今では建物を包みこむようだ。
建物の両脇に植えたシロバナヤマフジも、壁に取り付けたフジ棚をつたって、今はひとつにつながっている。
ゴールデンウィークの一日。久しぶりに施設を訪ねてみた。
薫風の中、シロバナヤマフジが見事な花を咲かせていた。
通りかかった男の子が、お父さんに「ねぇ、見て。葉っばでお家がいっぱいだね」と声をかけると、お父さんは「あぁ、本当だ。すごいね」と足を止めた。
緑はそこに住む人のためだけではなく、いつも街に開かれている。
道行く人の心に留まる、ささやかだけれど確かな幸せ。そんな小さな喜びをつくり出すことが、私たちに与えられた役目なのだとあらためて思った。