「都市と循環」をテーマにしたカンファレンス※にお招きを受けた際に、造園家の田瀬理夫さんが設計した、コンクリートの解体ガラをランドスケーブに活用した事例を紹介させていただきました。
建設現場から出る産業廃棄物は大きな社会課題の一つです。
令和4年度の産業廃棄物排出量の速報値は370,218,000トンとなっており、その内、建設業から排出された産業廃棄物は80,179,000トンで全体の約21.7%を占めています。(環境省 循環再生・資源循環局廃棄物規制課発表)
現場ではリサイクルなどの取り組みも始まっているもののゴミの量にはまだまだ追いついていません。
田瀬さんは、金網に建物を解体した際に出るコンクートガラを入れ、石詰のようにデザインすることで大量のゴミをランドスケープの素材として活かしてきました。
ゴミの排出をなくすだけでなく、処分にかかる高額の費用のコストダウンにもつながったとお聞きしています。

▼

コンクリートの足元にテイカカズラを植えた例。
コンクリートによって土がアルカリ性になることも懸念されましたが、順調に生育していました。
※「都市と循環 2025」
「都市と循環 」のフェスティバル/11月28日-30日 京都で開催。5×緑も参加します。|5×緑ニュース - 5×緑(ゴバイミドリ)
このカンファレンスでは 「オランダとサーキュラー」のセッションのゲストに トーマス・ラウ氏 /RAU Architectsがオンラインで登壇しました。
トーマス・ラウ氏は、大阪万博2025のオランダ館の設計者で、サーキュラーデザインの実践者でもあります。
建築の素材を登録して通常なら廃棄物となる建設材料を再利用するためのマテリアル・パスポートなどの取り組みが注目されています。