恵比寿日和

花便り

東京でも桜の開花宣言が発表されました。
 
わたしの家の春を告げる花は山茱萸(サンシュユ)。
地味で慎ましい花です。

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ある日、玄関の扉を開けると黄色い花が満開になっていて、しばし足が止まってしまいました。
といいますのも、この花が咲くと「春も隣り」という気分になるので、毎年冬芽の膨らむのを楽しみに見ていたからです。

ところが、今年は気づかなかった。
気がつかないうちに一気に咲いていて驚いたのです。

「忙しい」は「心を亡くすと書く」とよく言われますが、日々のことに気を取られていたかと、あらためて心の余裕の無さに思い至りました。

それにしても、山茱萸が咲いて桜が咲くまで、いつもはもっと間があきます。

今年は春が「駆け足でやってきた」。そんな感じでしょうか。

以前「恵比寿日和」にも書きましたが、最近ご近所の建て替え、取り壊しが増えていて、櫛の歯が抜けるように立派な庭が姿を消していきます。
わたしの家のお隣も、今時珍しい門かぶりの松のあるお宅でしたが、すっかり取り払われてしまいました。

小さく小割りになった住まいには、もはや庭と呼べるほどのものはできません。
木や草がなくなってしまう町並みを眺めながら、ますます日々のことに心を奪われ、そのことに気づくことさえないまま過ごしてしまうことになりはすまいかと、心配になりました。


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