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2013年9月の記事

「まぁるい田んぼ」のつくり方ー3.水の管理

2013-09-26 (Thu)

水田にとって水の管理はとても重要です。

佐川さんの田んぼには、山の湧き水から水が引かれています。

水路から一枚一枚の田に水が引かれているわけですが、稲刈りを控えた田の水は抜かれ、
水は止められていました。

水の流入口を見せていただきました。
驚いたことに、水の進入路は土で簡単に止められているだけ。
佐川さんが土を少し掻き出せば、水は再び田に流れて行きます。

聞けば、昔はどこも水路の堰は土や石でつくった簡単なものであったといいます。
大雨で水嵩が増した時、水が堰を壊して流れて行くように「良い加減」につくっていたのだとか。

自然をコントロールするのではなく、自然に寄り添い、無理をせず、昔の人の大切な知恵がここにも。そんな思いがするお話でした。

地元の方々は口をそろえて「佐川さんの田んぼの水は沢水だから最高だよ。水がいいから米の味が全然違うんだ!」と太鼓判を押します。そこまで言われると食べてみたい。。。

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ここが田圃に水を引いている取水口。泥をかぶせただけのシンプルにして完璧なつくり。
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知らないと見過ごしてしまいいます。。。
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「まぁるい田んぼ」のつくり方ー2.田づくりの道具

2013-09-20 (Fri)


田んぼに水を貯めるために重要なのが「くろ」塗りの作業だそうです。
畦の下の水が溜まっている部分、これを「くろ」というそうで、毎年田植え前に、前の年の「くろ」を切って(くろば切り)土を塗り直し、「くろ」をつくるのだそうだ。

普通は機械で行う作業ですが、機械の入らない佐川さんの田んぼでは、今も鍬で「くろ」づくりをしています。

今回、佐川さんとの橋渡しをしてくださったのは、5×緑里山ネットワーク「馬頭の森」の佐藤さん。その佐藤さんのお父さんが、長年使い慣れた鍬を見せてくださいました。

木の柄に鉄の刃。
風呂に刃がしっかりと食い込んでいて、留め具一つありません。
傷んだ刃は、鍛冶屋が鍛え直したそうです。
佐川さんも「これはいい鍬だ」と目を細めます。

今ではもう、こんな道具は手に入らないのだとか。
刃はボルトで固定されるようになり、傷んだ刃の手入れをしてくれる鍛冶屋もいなくなりました。
ボルトで固定された鍬は「くろ」に土を塗りつけると、2本の筋のボルトの跡が残るのだとか。
その鍬の作業も、「くろ」づくり用のアタッチメントを装着した機械が主流の今は珍しくなっています。

佐川さんの田んぼでは、「くろば切り」も、田植えも、稲刈りも、夫婦ふたりで作業します。
ご先祖の開いた小さな棚田で、人の手だけで行われる米づくり。それがとても尊いものに思えました。
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「まぁるい田んぼ」のつくり方 -1.ちっちゃな田んぼ

2013-09-18 (Wed)

人の手でつくられた、山あいの小さな棚田。

前に「まぁるい田んぼ」としてブログでご紹介した田んぼをつくっている佐川卓さんに「田んぼのつくり方」を聞く機会がありました。
佐川さんは80歳。
先祖から受け継いだ水田を今も守り続けています。

田んぼ一枚一枚が、いかにも人の手でつくった、まぁるい、かわいらしい形をしていて、手入れのゆきとどいた畦に、佐川さんの丹精が感じられます。

驚いたのは、畳一畳ちょっとかと思うくらいの、とても小さな一枚があること。
どんな狭いところも無駄にせず、米をつくるための場所にしてきた先人の思いが伝わってきます。
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山間の小さな棚田。機械は入らないので田植えも稲刈りも人の手で
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