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5×緑ホーム恵比寿日和 > 2013年2月

2013年2月の記事

遠野滞在記 その3 「暗闇と馬の検分」

2013-02-27 (Wed)

岩手県・遠野プロジェクトの拠点施設QMCH(クイーンズメドウカントリーハウス)は、
クマやカモシカの棲む遠野の山あいで、馬を飼い、米や野菜を作り、小さなゲストハウスを営んでいる。

2月初め、厳寒のQMCHを訪れた。

 

馬は、ハフリンガー種という黄金の毛を持つ山岳馬で、敷地内の林で自然放牧されている。
白銀の雑木林を、亜麻色のたてがみをなびかせて躍動する彼らの姿は、古いヨーロッパの
童話の世界を見るように美しい。

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到着したその日は、日が落ちてから外に粉雪が舞い始めた。
視界に人工物の入らないQMCHは、一歩外に出ると真の闇である。
それでも近くに馬たちがいると思うと、心が躍って、会いに行かずにはいられない。

そこにいた7人で氷点下の雪の中を懐中電灯を持って出かけた。

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「いた!」
闇の中に馬たちのシルエットが浮かび上がっていた。
近づいて触れると馬の体温は高く、温かくて、そして優しい。

目が慣れてくると遠い山の稜線や樹々の形が見えてくる。
誰が言うともなく懐中電灯を消して、待った。

これまでの馬との出逢いの中で、彼らがヒトを「検分」することがあるのを知っていた。
だから、一頭が静かに近づいてきたとき、身動きしないでジッとなすにまかせた。
時間を馬たちに委ねるように。

馬の"検分"は足元から始まった。
爪先に鼻ヅラをつけて、フンフンと匂いをかいでいる。
くるぶしから足へ、腰から腹へ、そして肩へ、ゆっくりと「馬の検分」は続く。
顔からほんの数センチ、雪除けにかぶったフードをハミハミと甘噛みしている馬の歯が
見えた。
熱い息が顔にかかる。

暗い空から舞い落ちる雪片のひとつひとつも鮮やかに、
闇に浮かぶ樹々の梢の一本一本もありありと、
あの時のことを思い出す。

雪闇の中で、魂の在り処を探るように、私の身体を通り抜けて行った、
自分よりずっと大きな生き物のことを。
彼らに身をまかせることで感じた不思議な安らぎのことを。

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翌日は、晴れて風の強い日だった。吹雪くように風花が舞う。

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翌朝の雪原でみつけたたくさんの足跡。夜の間にいかに多くの生き物たちが傍らで跋扈していたことか。

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遠野滞在記 その2 白銀の世界と色

2013-02-23 (Sat)

遠野で過ごす一番好きな季節 -冬-

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ぴりっと緊張感のある澄んだ空気、一面の銀世界、きれいな夜空・・・
都会の暮らしでは普段使っていない感覚が呼び起こされ、本能的な部分が刺激されるという感じ。
自然と向き合う真剣度が高いというのでしょうか。

寒く長い冬に備え、<その1>編のように身体を使って薪割りをし、米・豆・根菜類を備蓄したり、味噌を仕込んだりと日々の営みが生きるということにつながっている―。

都会ではその営みを他人に委ねていることがほとんどで、それが当たり前になっていて、
便利で助かる一方で生きることを他人まかせにしてしまっているような気がして
ふと怖いなと思うことがあります。

だから冬の遠野にくると、背筋がピーンとするのです。

 

前置きはさておき、今回の滞在で感じたことは"色"でした。

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雪の中を一回りしたあとのランチでのこと。フレッシュな野菜たちの色が目に飛び込んできました。
遠野に来るたびに感じていたことですが、今回はことさらです。
白銀の世界から色の世界へ。
はじけ出るようなエネルギーを感じ、食べたら元気が出る!と思いました。
ありがとう野菜たちと心の中で感謝。

お次はこちら。何でしょう?
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ゆでた人参を数日間寒風にさらした干し人参です。
フレッシュな野菜とはまた違った鮮やかさがあります。
噛めば噛むほどに滋味深い甘みがあり、お気に入りに。
自然をうまく活用した人の知恵に感心しかり。


みんなとはぐれ1人雪の中を歩いていると、知っている場所なのになぜか心細くなってきて・・・。

陽を浴びて光るような栗色をした馬たちを見つけ、ほっと一安心。
彼らが温かいことを知っているからでしょうか。


スノーシュー(現代版カンジキ)で散策する仲間たち _MG_1069.JPGのサムネール画像
昔は藁で編んでいたカンジキも現代版は赤、青、シルバーと様々。
みなさんもカラフルです。雪の中では何かあった時のために目立つことも大切です。


他の季節では自然の創りだす様々な色の方に目を奪われていましたが、
白銀の世界で色の持つメッセージだったり、記憶だったり、色々なことを改めて感じました。

 

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遠野滞在記 その1 はじめての薪割

2013-02-22 (Fri)

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雪深いクイーンズメドウカントリーハウスへ行ってまいりました。

今回は5×緑へのお客様をご案内するための訪問でしたが、

スタッフも存分に冬の遠野を満喫させていただきました。

いや~しかし、とにかく寒い!!

私たちがお伺いした日にばっちり雪が降って、

春の雪解けの気配も消え、すっかり真っ白な銀世界。

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現地の大事なライフラインである暖炉。

東京の生活ではめったに燃え盛る炎を見ることはありませんが、

ここでは、ゆったりとした時の流れの中で暖炉のそばに寄り添って、

時には誰かと一緒に深く濃い話を、

時にはひとりで炉に向き合って

ぱちぱちと燃え続ける薪を見つめながら、少し日常を遠ざけて考え事を楽しんだりなんかして。

 

その薪は、現地スタッフが毎日のように割っているのですが、

今回はその薪割を体験させてもらいました。

斧で薪を割るなんて!初めての体験です。

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割られた薪と割られる前の薪

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割りやすそうな薪を選びます。

節が少ないものの方がきれいに割れやすいとのことです。

これを4分割します。

 

コツは

・中心に向かって振り下ろす。

・薪より向こう側まで割り切るイメージで振り下ろす。

・重力を使って、斧が落ちる力で割る。

とのこと。

 

都会でデスクワークの軟弱な女の子をである私は斧を持ち上げるのだけでもよろよろです。笑

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集中して~、ど真ん中をねらって~、

どきどきしながら~、斧を~~~~~~、

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振りおろーーーーーす!!!!!

 

 

しかしうまく当たらない....

邪念をふりほどいて、集中するのがこんなに大変だとは。

すっかり汗だくです。

二の腕の力、腰の位置、斧の重さの移動、目標地点にしっかり当てようという気持ち。

全身の至るところの感覚をひらいている感じがしました。

真ん中に当たらないと、樹の表面のみが削れたような薄い薪が飛び散ります。

オーディエンスからは「焚き付け~!!※」との声。笑

※火を着火させるためにすぐ燃えるような材ですねという意味です。

斧の重みに負けないように何度も振り下ろすこと数回。

そしてやっと...

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割れました....ぜえぜえ、はあはあ....。

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↑割れてよかったね。おめでとう!というような温かい皆様の目線。

 

冬の東北で、暖をとることは命にかかわる問題になりますが

昔の人はこうやって日々の中にたくさんの労働をかかえて生きていたんですね。

薪割は身体全体を使って神経を研ぎ澄ます作業でした。

今日や明日を生きる力になる、というか、

むしろ自然に、やらねば生きられないこと、というか

スイッチ一つで部屋が暖かくなるようなことではなくて、

生きることと直結する作業が全神経を駆使した労働であるという感覚が清々しく感じられました。

 

ああ、暖炉はだから美しいのかな、惹きこまれるよなあ。

と、昔の暮らしの中にあるとても古い習慣の中に、

自分にとってはものすごく新しい感覚をまた一つ、拓かれた想いがしました。

 

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味噌作り

2013-02-11 (Mon)

2年ぶりに味噌作りに挑戦しました。

もともと東京のように夏場暑いところでは味噌作りはむかないと思っていたのですが、
豆種菌という発酵食を提供しているお店でたまたま友人と「東京だと味噌作りは無理だよね~。
日中締め切った部屋だとものすごく暑くなるしね~」と話していたら、これを耳にした店主さんが「できますよ!」と笑顔でひとこと。

店主さんによるとその夏の暑さを越したものが断然美味しいとのこと。
この言葉に背中をおされ、2年前に初めて味噌作りに挑戦したのでした。
そして暑い夏越しした味噌は、本当に美味しかった!
時間を増すごとに熟成されていき、その変化も楽しくて。

その成功体験?に気を良くした私は今年も仕込みましたよ~。

■材料はこちら (約4kgの味噌ができます)
  ・大豆    1kg
  ・生米こうじ 1kg
  ・塩     約430g
  ・種味噌  250g
  ・消毒用アルコール 大さじ2~3

本当は種味噌に自家製味噌を使いたかったのですが、食べ切ってしまったので、
今回は海の精の玄米味噌を使用しました。
消毒用アルコールは、果実酒作りであまったホワイトリカーを使用しました。
 

■では仕込みです。

①一晩水につけた大豆を指先で軽くつぶせる程度までゆでる。
煮汁は300ml程度種水用としてとっておき、熱いうちに塩43g(分量外)を加えておく。

②ゆでた大豆を熱いうちにつぶす。
*前回はすりこぎやマッシャーを使いましたが、今回はビニール袋に入れてつぶすことにしました。
 木べらや麺棒も使ってみたのですが、手でつぶすのがやりやすかったです。

暑いので軍手をして、歌をうたいながらつぶす娘_MG_1656.JPG

(休憩)温かいので気持ちがよいらしい。
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③よく手を洗ってから、カメを熱湯消毒し、内側をアルコールでふいたあと、底に塩(分量外)を
 まんべんなくふる。
*我が家ではカメの代わりに、パスタパンを使用しています。

④生こうじと塩を混ぜる。生こうじをつぶさないように注意!
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⑤④とつぶした大豆、種味噌をよく混ぜる
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⑥小指がすっと入るくらいのやわらかさで、よく混ざったらおにぎりくらいの大きさの味噌だんごを作る。
固い場合は①でとっておいた種水を加えて調整する。

⑦味噌だんごをカメに数個ずつ詰めて、手のひらでつぶし、空気を抜くようにまんべんなく
 敷き詰めていく。
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⑧全部詰めたら平らにならし、カメの内側とふちをアルコールできれいにふく。
 空気にふれないよう上面をラップで覆い重石をする。
*我が家では重石の代わりに塩をビニール袋に入れたものを使用しています。_MG_1670.JPG

 

⑨カメにふたをし、新聞紙などで覆いひもでしばって冷暗所へ


天地返しをする梅雨の頃までそのまま置いておきます。
今年の味噌はどうなるか?う~ん、楽しみです。

 

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