恵比寿日和

京都のこと 町家のこと 3 大人の間合い

京の町家は市井にあって、道に面した「ミセ」が生業(なりわい)の場となり、その奥側に「オク」や「ハシリ」と呼ばれる生活空間があった。

生業の場と私的空間との間は、多くは暖簾や衝立で仕切っただけの簡単なつくり。内と外の境界は曖昧で漠然としている。
そういえば、外に立てかけられた犬矢来は、竹を曲げて並べただけの簡単な造作だが、私有地と他所とを分ける結界の役目を果たしているという。

すべては「ここから先へは立ち入れぬ」という決まりごとの世界。
モノで囲わず、家は表と柔らかくつながりながらも、暗黙の了解で私と公を峻別する。

昔の人は、人と人との間合いの取り方を十分承知していたということだろう。
洗練された大人の付き合いは、生活作法の中から自然に生まれたものだと思う。
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河合貫次郎記念館の犬矢来 
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山種美術館の前にある5×緑の「カズラ垣」は犬矢来を模したもの
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