2009年12月の記事
NOEL BLANC
2009-12-22 (Tue)
NOEL BLANC
那須に住む作家のRARI YOSHINOさんにお目にかかった。
RARIさんは、元々バッグのデザインをされていたとのことだが、今はイラストレーターでもあり、ショップのデザイナーでもあり、スタイリングのプロでもあるクリエイター。でも、何より那須でのナチュラルで気持ちのいいライフスタイルが素敵な、「生活の実践者」でもある。
RARIさんの個展が、代官山のメゾンゴッドナルスキーで開かれている。
http://maisongodnarski.typepad.com/photos/noel_blanc/index.html
タイトルは、NOEL BLANC。
テーマは紙。
紙のオブジェやメッセージカードやサシュ。
白い紙の世界に虫や鳥や草花が遊んでいる。
聖夜のように、静謐で穏やかな世界。
手に取ると優しい気持ちになれるモノたち。
これはね、印刷所で紙を裁断した後の余りなの。
小さな端布が出るでしょ。これもこうしてちっちゃな袋にしてサシュにすると可愛いわね。
これは剪定されて捨てられそうになっていた枝をもらってきたの。知り合いの作家の方に枝を飾るための花器をつくってもらったのよ。
那須に住んでいるとたくさんの植物を楽しむことができるの。野の花が枯れるでしょ。
その種をとって、こんな風に飾ると、ほら、素敵ね。
次々と語られるモノへの想いを聞くうちに、とてもよくわかったことがある。
それは、見捨てられたモノ、役に立たないと投げ出されたモノを慈しむ気持ち。
彼女はそれらをひとつひとつ愛おしんで、新しい命を吹き込むように作品を創っているように思える。
こんなメッセージカードなら、きっと優しい気持ちを伝えられる。
クリスマスに微笑む人のように。
大切なものをそっと包み込む手のように。
裁断後の紙でつくった教会と小鳥のオブジェ。
これだけでクリスマスな気持ちになれます。
Kissing Under the Mistletoe
2009-12-17 (Thu)
木婚式の里山ユニット
2009-12-16 (Wed)
11月の3連休の最終日、夫とふたりで5×緑のユニット生産拠点でもある「矢澤ナーセリー」を訪問しました。
去る10月に結婚5周年を迎えた私たちは、何か記念になるものが欲しいなぁと
考えていました。 でもアクセサリーや食器はありきたりだし・・・と悩んでいたときに
結婚5周年というのはイギリス式で「木婚式」であることを知りました。
「5」周年で、「木」・・・となると、それはもう「5×緑」しかない!というわけで
ユニットをひとつオーダーすることに。
5×緑のスタッフとして働くようになってもう1年以上たちますが、ナーセリーを訪問する
機会に恵まれていなかったこともあり、これを機に生産現場の見学を兼ねて
ユニットは自分で作ってみたら?!というありがたいお話に。
木婚式の記念品ということで、夫とふたりで里山ユニットの製作体験をすることになったわけです。
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矢澤ナーセリーは、茨城の田畑に囲まれたのどかな場所にあります。
オーナーの矢澤さんは、ここで日々植物たちに囲まれて仕事をしています。
矢澤さんは本当に植物のことをよくご存知な上に、もともとは環境計画や造園の
コンサルタントでしたので、本当にお話が上手なのです。夫婦ですっかり聞き入って
しまいました。
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さて、肝心のユニット製作開始です。何も入っていない金網のカゴからはじめました。
今回我々がオーダーにしたのは、背面パネル付きのスリムタイプユニットです。
矢澤さんが細かく指導してくださいますが、なかなか思うようにいきません。
すべてが手作業なので、やはり知識と経験が必要な工程です。
夫婦であれこれ悩みながら、共同作業をすすめていきます。
5×緑では、人工軽量土壌の「アクアソイル」を使います。
保水性が高くて軽いので、都市緑化にはぴったりです。
見た目にも白い粒がとってもきれいなんです。
なんとか土台ができあがったら、やっとランチタイムです。
こうやってひとつひとつ手作りされているユニットですが、数が多くなると
なかなか大変な作業になるんだろうなぁ・・・・と実感です。
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午後からは、植え込む植物を選びます。矢澤さんからひととおり説明を受けると
夫婦であれこれと悩みながら植物を選んでいきます。難しいけれど
一番楽しい工程かもしれません!
夫もすっかり植物選びに夢中でした。普段はIT系を仕事をしているのですが
矢澤さんと植物の魅力にどっぷりはまってしまい、今にも矢澤さんに弟子入り
してしまいそうな勢いです。
次は、選んできた植物を配置します。ここが一番難しい!
ひとつひとつ好きなものを選んできても、全体のバランスを整えるのが
難しいのです。性格もでてしまうところですね・・・
散々置いたり外したりを繰り返した結果、こうなりました。
どうでしょう、里山の風景にみえますか?
ちょっとよくばりなところが、私たち夫婦らしいかも!!
最後はこの植物たちをひとつずつアクアソイルの土台に植え込んで、少しお化粧をして完成です。
すっかり日も暮れる時刻になっていました。
まさに1日がかりの作業ですね。
矢澤さんがつくってくださるユニットに比べると、すこしデコボコな印象ですが(笑)
ふたりで一生懸命つくったので、よい記念になりました。
大切に育てていこうと思います。
もちろん、お客様のユニットは、矢澤さんがひとつひとつ心を込めて
つくっています。今注文されている皆さまは、ぜひ楽しみに待っていてください!
これまでに、馬頭の里山を訪れ、守ろうとしている風景と営みを知り
アネックスがプロデュースし、田瀬理夫氏がデザインを手がけた
遠野のクイーンズメドウ(※)にて5×緑の原点に触れ、
そして今回やっと、「5×緑」が形になる現場を体験することで
小さな欠片がつながってきました。
お客様ひとりひとりに、すべて同じ体験をしていただけたら、5×緑のことを
もっとよくわかっていただけるかもしれません。でも、なかなかそうもいきませんよね!
なので、このストーリーを、メッセージを、皆様にいかにうまく伝えていけるのか
もっと考えていこうと思っています。
(※)遠野のクイーンズメドウについては、後日レポートをアップ予定です。
くれなゐの 鳴門金時 焼きあがる
2009-12-02 (Wed)
四国・愛媛に住む母は御歳81歳。おかげ様でとても元気でいてくれる。
昔から変わっていないのが、「宅急便魔」。
「おいしそうだったから」 とか 「お買い得だったから」 といっては、なんだかんだと送ってくれる。
父が生きていていたころは、手づくりの味噌、佃煮から、ジャム、飴、煮物に至るまであれこれしょっちゅう送ってくれていた。
自分で料理することが少なくなってからは、さすがにおかず類を送ってくることはなくなってきたが、今でも送ってくれるのが地域でとれた新鮮な野菜や果物だ。
「こっちにも売っているから」 「まだ、前のが残っているから」 といっても、耳には届かないらしい。要するに送るのが趣味なのだ。 ( 本人にそういうと、機嫌が悪くなるので、最近はホントにありがとう!!としか言わないことにしている)
つい先日送ってきてくれたのが、お隣、徳島県の名産の 「鳴門金時」 。
焼き芋はホクホク派でなく、しっとり派である私としては、サツマイモの種類数あれど、このサツマイモが日本一と思うくらい、おいしい。
すう~と薄黄色に焼きあがった鳴門金時をパコッと割ったら、そこにバターを滑りこませて、そのままバターナイフですくって食べるのが私流。(チョットオギョウギワルイカモ)
そこにたっぷりのアメリカンコーヒーがあると、とってもしあわせ~~
でもって今回の句会、お題の一つは「焼き芋」であった。
冒頭の 「くれなゐの......」は、鳴門金時を焼いたという、そのまんま、それだけの句である。
あと一句は
すきとほる思ひで 芋を焼きにけり 結女
この句も鳴門金時を焼いている時の句である。
鳴門金時さん(そして、母にも )ありがとう!!
あなたがいなければ、今回の兼題はこなせなかったのです。
ちなみに、「焼き芋」という難しい兼題でありながら、句会のみんなからはすてきな句がいくつもうまれていた~。
焼き芋や 黄金の芯 そっと噛む 静夜
石焼き芋 昨日の記事に巻かれおり 人魚
焼き芋の 大壺のあり 蛸薬師 桃兎